(様式別)ジョージアン
November 06, 2014
主人公ケビンの家はイリノイ州シカゴ・リンカーン通り671番地にあるとされているが、実際に撮影で使われたのはシカゴから少し離れたウィネトカのリンカーン通り671番地にあり、西へほんの2ブロック歩けばミシガン湖の湖畔にたどり着く好立地。
https://goo.gl/maps/Eu4gz
家族旅行に置いてけぼりを喰らったケビンが、留守を狙う泥棒から家を守るってストーリー。
クリスマス・イルミネーションがとっても美しい。
1930年代くらいからの重厚増大の産業構造で経済成長を果たし、人々は疲れきっちゃったんだって。人間性を取り戻すために労働時間を大幅に短縮し、都会の喧騒から逃れ、自然に囲まれたリゾート感覚を堪能出来るような環境に身を移すことで、その補いを計ったらしいんだ。
でも郊外型住宅地の弱点は、広い敷地で隣地とも離れていて、近隣のコミュニティーが希薄になっちゃって、賊(窃盗や恐喝、はたまた殺人強盗)に狙われ易い状況を生んでしまった。
そこで犯罪発生率低下を狙いセキュリティシステムを含むITでを駆使した「スマートハウス」で対応をしたわけだけど、システムが作動してから警備が駆けつけるまでの約20分以内には犯罪は完了しちゃう。
結果論として
人生最大の買い物である住宅の資産価値が年々大きく下がり続けて、約25年で価値がゼロになる我々日本人にはなかなか理解できないよねー(苦笑)なんで不思議に思わないんだろ?普段の買い物は円単位で安いもの探すのにさー。
コレじゃお金無くなっちゃうしー、国家は国民の住宅(お金)まで消費しちゃう気ぃ?国民が強くなきゃ国力無くなっちゃうよ??大丈夫なの?日本・・・・???。
はい!これはもう典型的なジョージアン様式ですな!
このタイプのデザインはそういった層が好んだ威厳あるデザインであるために、現在でも貴族血筋や貴族趣味の人々からとても高い支持を得ていて、多くの映画にも登場する。
組積造の特徴として、組積の縦方向加重配分のため開口部(窓やドア)には縦長形状が用いられ、縦に連続して窓が並ぶことが多い。そのような機能美は外壁が何に代わろうとも失われる事はないということを証明したといえるよね。
またジョージアン様式が流行した1715年あたり、玄関や各部屋には外開きドアが設置されるようになるんだ。
上2枚はベースメント(地下室)
ユーティリティースペースが地下室に設けてある家が多いね。ベースメントの外殻は鉄筋コンクリート造、ブロック造などで、内側の加重は所々に木造の柱で持たしている。
日本では室内も鉄筋コンクリート壁構造になって、家全体の地下室なんぞ造ったら小さな家でも千万は下らない。
狭小地が多い日本で、これからはこの地下室の建築費と有効利用がカギだろね。
窓から観る雪景色は、絵画のようだ。
窓廻りの額縁はそういった文化性を物語る。
日本の住宅は購入者の購買力低下に伴い、こういった豊かさを演出する趣向をどんどん省き、「スマートでシンプルなインテリア」と銘打って無機質な空間を造り続けている。
豊かな文化性を持たない室内で生活する大人達、そしてそこで育つ子供達。
いったいそこから何が生まれるんだろう?・・・・・
現在の環境に併せたプログラムに組み替えなければいけない時期になってんのにさ、何も対応策が見出せてないじゃん。
June 13, 2013
『Mr.&Mrs. スミス』(原題:Mr. & Mrs. Smith、2005年公開、監督:ダグ・リーマン、アメリカ映画)
私が最近観た映画の中で、ピカイチの作品。(もちろん内容じゃなくて”家”ですよ)
ブラピ&アンジー共演の話題作ということもあり、この夫婦が暮らす家には最新のインテリアデザインを施された。
ローケーションは「花嫁のパパ」「迷い婚」と同様で、ロス郊外パサデナの高級住宅地。特に「花嫁のパパ」の家とは目と鼻の先だという噂。外観デザインもこの2作品と似通っている。
ジョージアン様式のデザインは基本的に左右対称(シンメトリー)で柱間(ベイ)が奇数でつくられていることが特色である。
インテリアのデザインはとにかく凝りに凝っている。
アメリカの内装は2000年以降、大きく変化した。それは、重厚増大の産業構造に終止符を打ち、郊外型住宅地からの脱却を意味し、軽薄短小という構造の変化を物語る。 郊外型住宅地での犯罪発生率、人間関係形成やセキュリティーの問題に直面して来たアメリカは、そのアンチテーゼとして最も人間らしく、安全性が高く、豊かに暮らせる街はどのようなものか?という綿密な調査の結果、T型フォードが世に出る前、すなわち1920年代の「徒歩圏による住宅地開発」であるという結論に至った。
インテリアの話からは少し離れるが、郊外型住宅地時代は敷地が広い故に近隣とのコミュニケーションンが希薄化し、それが犯罪率増加に繋がってしまった。セキュリティ強化を余儀なくされ、セキュリティシステムを含むITでの安全性を確保する「スマートハウス」に力を入れたが、システムが作動してから、警備が駆けつけるまでの約20分以内には犯罪は完了してしまうことから、最も優れているセキュリティは「人の力」「人の目」であるという結論に至った。
そんな様子も冒頭の自転車に乗る新聞配達少年がフロントヤードに新聞を投げ、お隣さんと顔を会わすシーンがあるが、そんな日常にもコミュニティ構成の「仕組まれた」動線である事を知っている人は多くないだろう。
2013年現在、我が国でも盛んに「スマートハウス」を銘打っているが、20年も前に”結果が出ている”ことに躍起になっているのは、何とも馬鹿げているような気がしてならない(苦笑)
各種ドアや棚の取手、蝶番、照明機具など、それら金物のほとんどに”ポリッシュド・ブラス(鏡面真鍮)を使うのが最もポピュラーなものだったが、2000年前後からはシルバー、プラチナ、アンティーク・オイルド・アイアンなどが多く採用されるようになった。
リビングのシャンデリアはTLC LIGHTING
大きなサイズもあるけど、小さめなこれを3つ使っているように見えるね!
キッチンスペースのキャビネットはダークチェリーとステンレスカウンタートップはブラックのマーブル(ネロクラシコ)
OCEANSIDE GRASS TILEのTESSERA Moroccan Desert
もう生産中止のモデルなのかな? デザインが一新されていた。
水廻りも最新デザイン「異素材の融合」。タイル、石材、クロームドメタルなどを、凹凸感豊かに配置した空間演出に、斬新かつ切れ味の鋭さを感じる。
http://www.lampsplus.com/
どちらかというと、クラシカルなダイニングルーム。
テーブルセンターのシャンデリア
壁に掛けられたモザイク・ミラー
June 12, 2013
こちらのメイン舞台も「花嫁のパパ」「Mr.&Mrs.スミス」と同じロス郊外パサデナ(実家へ向かうハイウェイの標識より)にあると思われる主人公の実家。
インテリアのデザインもトラディッショナルで同様だが、こちらのコーディネイトは主人公の父親の厳格さを象徴しているように、「格調」を重視したモノとなっており、壁には多くの家族写真が額装され、2人娘を愛するあたたかい家族を主張している。
model : Memoirs®
model : Revival®
June 10, 2013
『花嫁のパパ』(原題:Father of the Bride、1991年公開、監督:チャールズ・シャイア、アメリカ映画)
『花嫁のパパ2』(原題:Father of the Bride Part II、1995年公開、監督:チャールズ・シャイア、アメリカ映画)
ロサンゼルス郊外のパサデナの閑静な住宅街に建っている住宅。
843S.El Molino Avenue,Pasadena,CA
成長した樹木から、当住宅地の熟成度が判る。
外観デザインはホワイトにペイントされたサイディング仕上げで、様式はジョージアン(ニュー・イングランド)スタイルを踏襲している。
見方によってはイングリッシュ・コロニアル、ネオクラシカル・リバイバルやアーリーコロニアル・リバイバルなどのスタイルに分類されている場合もあるが、ここでは一般的に知名度高いジョージアン・スタイルとした方が無難かも知れない。
*このブログ内でも類似外観の物件が
「迷い婚」ほか
「1」のリビング
「2」のリビング
やわらかいカラーリングと子供用の家具が美しい。