August 09, 2013

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『幸せがおカネで買えるワケ』(原題:The Joneses、2009年公開、監督:デリック・ボルテ、アメリカ映画)

 ジョーンズっていう題名について下記Wikipedia引用
『主人公の一家が隣人のジョーンズ家と張り合うコミックが20世紀前半にアメリカの新聞で人気となったのが由来とされ、タイトルの"Keeping Up With The Joneses(ジョーンズ家と張り合う)"が「何でも欲しがる、見栄を張る」などを意味する言葉として使われるようになった。アメリカが大衆消費の時代を迎えた1960年代に育った世代(1954~1965年生まれ)は物欲偏重傾向が強いとされ、ジョーンズ世代と呼ばれている。』
 
   っていうことは、原題であるThe Jonesesといえば、アメリカ人の間では何となく事の内容が判っちゃうってことなんだろね。

 この映画には多くのステキな家が登場し、「すんばらしい!」の一言。にもかかわらず、あまり話題にもならなかった残念な作品。 

 The “perfect” American familyを装う一家が暮らすための家だけあって、そりゃもうゴージャスでハイセンスなインテリア、粋なライフスタイルまで楽しめちゃいます。

 まずは住宅地のゲート・・・・凄っ! 
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 お城が連なるかのような美しい町並み
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 街路時の熟成度から見て、比較的新しい高級住宅地に立つ豪邸外観は、その家族のアイデンティティを象徴するデザインが選ばれている。切り妻屋根をファサードに多く使って、ある意味攻撃的とも言える力強さと自己主張を強烈に誇張させているように感じる。

 アトランタからルート19を北上したアルファレッタという町のゴルフコース付き郊外型住宅地「THE MANOR」Manor Bridge Dr Alpharetta, Georgia

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に位置するその家の左右非対称(アン・シンメトリー)な構えは、知恵と身体で富を得たブルジョアジーの強さを自信たっぷりに誇示し、
石材とレンガを使い分けた組積造と渋いカラーリングで威厳のある風格を醸し出している。
 引っ越して来た直後に、家の前で家族写真を撮影するが、家族も家も何となくおんなじ感じに見えるデザイン=家族の思想そのものであり、いかにも「この家族にしてこの家」という印象を強く受ける事だろう。
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 こういった事が、アメリカの住宅取得者達の外観デザイン選定要素を左右しているということを知ると、面白いと思わない?
 
 事は住宅デザインとは違うけど、よく「犬は飼い主に似る」って言うじゃん?実はそうじゃなくって「無意識で自分に似ている犬を選んでいる!」プふふふ・・・だって犬だよ?犬が人の顔に似てくるわけないじゃんかー!

 んで、本題の住宅の様式だけど・・・・んン~~難しい!(またかよ)
 ヴィクトリアンの要素もあるしぃ、組積造のチューダーっぽく見えるしぃ~・・・・
 もちろんそれらも折衷されているけどぉ・・・・
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 判んないから、日頃お世話になっている私の師匠、住宅生産性研究会の戸谷英世先生に私の見解を添えて意見を伺ってみたら、「一見、ヴィクトリアンとチューダーの折衷?とも思ったが、屋根勾配などがそれらしくない。おそらくアメリカン・バロック様式ではないでしょうか。」とのことだった。

 いやぁ~まだまだ勉強不足だなぁと自己嫌悪に陥りつつも、そもそもバロック様式とはフランスで16世紀から18世紀初頭にかけて栄えた古典的様式で、代表的なものにベルサイユ宮殿やサンピエトロ大聖堂などがある。日本におけるバロック様式の建築は北海道庁の総赤レンガ造の厳格なデザインで知られる。

 でもこの家はそれら代表的な建築物とは違うじゃん?と感じるであろうが、様式というのは思想そのもので、
 そのバロックの思想を受け継ぎ、アメリカ人たちが時代の要求に応えて創ったのが「アメリカン・バロック様式」なんだな。何となく解ってもらえた??(強引に様式解説おしまい!) 


 インテリアは金物類、オブジェなど全般的にシルバーとクリスタル多用した最新アメリカンインテリアデザインで、クラシックとモダンの融合になっている。 
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 これもよく見る光景
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 引っ越してくると、隣人が木製カゴに何やらプレゼントを入れて挨拶に来る。日本とは真逆だね。
 そして家族構成を紹介し、我が家の中身を見せることによってアイデンティティを知ってもらうんだ。
 これが住宅地におけるセキュリティに繋がる!
 犯罪社会と言われたアメリカが過去の歴史に学び、近隣が協力して住宅地全体を守っていく。なんと素晴らしいことだろう!日本にもその昔、「向こう三軒両隣」という優れた環境保守構造があったのにねー・・・・
 完全にどっか置き忘れちゃったねー・・・・寂

 階段はナチュラルに仕上げたポスト・トゥーポストのハンドレイルに太いスクエアのニューウェルポストアイアンバラスターが並ぶ。高さのある幅木にも注目。 
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 アクリルバックのバースツールはイタリアンモダンデザイン。
コレ探すの大変だった・・・・
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 右隅に映ってるサークルのミラー
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キッチンの内側はこんな感じ。
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 劇中でトイレは「TOTO」と出てくるが、このモデルは日本で見た事ない。
  どちらかというとINAX(今はLIXIL)の最高級トイレ、レジオのデザインに似てるね。でも国際的な知名度はTOTOなのかも??

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 キッチンバックの自然石風外用っぽいタイルの貼り方は、至る所にダイヤモンド(四半貼り)とメタル系ポイントを入れ、額縁で囲んだヴィクトリアン・デザインは最近アメリカでポピュラー!
 隣人ライリーん家や最後に引っ越した家も同じテイスト。
kit1kit2kit5ライリー家のキッチンバックは、オールド・トラバーチン風タイルに太めのモールディング・タイルで格調を高めている。イイねぇ〜
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最後に出て来る家のキッチンとスツール
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ココ大事↓
  日本の家からどんどん消えてしまっているそんな光景は、工学と経済学だけで造られた、まるで倉庫や物置のような住まいしか手に入れる事ができない日本人にとって「今もっとも必要」とされているのは人文科学で考えた住まいの形ではないだろうか。 

とってもイイ家なんで、絞っても絞っても画像が減らない!

よって次につづく・・・・・早いうちに・・・・・・・・できるだけ・・・・・
 




 


(22:33)

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